2009年 01月 31日

甲斐駒ラッセル 1泊2日 2日目-2

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 甲斐駒の八合目から続きのレポです。



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 今回は、その日のうちに下山しなければならないので、タイムリミットを10時半と決めて、その時間になったら引き返すというルールを決め八合目を出発しました。


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 しばらくは大きい岩の脇の斜面をトラバースするように進んで行きます。

 斜面では雪の表面15センチくらいの層がそっくりそのまま崩れ落ちてかなりビックリして、一瞬ヤバイかなぁ〜・・・と思いました。
 これが表層雪崩のミニチュア版?・・・なのかな?


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 ピッケルも雪面に突き刺すものの、埋まってしまいほとんど支点としての効果を得られずに気休めって感じです。
 
 もっと雪が堅かったのならば役に立つけれど、今回は雪からちょこっと顔を出している枝を掴んで進んだ方が安心して歩く事が出来ました。


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 一応、鎖は出ていたものの結構際どい登りでした。

 写真で見るとガッカリ・・・


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 斜面を四つん這いになってよじ登って、ここは岩と樹林帯のミックスなのでもしも滑落しても樹木が守ってくれる・・・という安易な考えでどんどん進んでいきます。


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 それにしても超気持ちいい〜!

 トレースが全く無く、この日に限って甲斐駒を独り占めです!

 七丈小屋までのラッセルと違い、展望が開けていくこの場所をよじ登ってラッセルするのは同じラッセルだけどモチベーション、テンションが全く違い、喜びによって身体の内側からエネルギーが湧き上がる感じです!

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 小屋の管理人さんに忠告されて弱気になった自分が嘘のようで、楽しくって楽しくって仕方ありません!

 吹きだまりがあって、斜面なので足下を固めても崩れていって自分の位置が下ってしまっても、とにかく前へ前へ・・・で、急に元気になりました!
 
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 ・・・そして一つ目の関門のトラバースをクリア。

 次のルートを考えます。

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 年末に来た時は赤いテープのある木の方の谷に下ってから登り直すルートだったけれど、明らかに吹きだまりがあって雪が深そう。
 ・・・おまけに視野が狭くなるので状況が分り辛くなる。

 ・・・となると、直進してナイフリッジを歩いた方が状況を把握出来るので、そっちに行きました!


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 ホントは、こういう所を歩いている自分の写真が欲しいんだけど、今回はソロだし、みんなと行った時はどことなく自分が撮る係でいつも自分の写真が無く悲しい思いをするけれど・・・


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 風がそんなになかったので、自分に酔いながら楽しんで歩いて行きます!

 ・・・テンションかなり高鳴ってます!



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 そして管理人さんに注意するように・・・と指摘された鞍部からの登り・・・

 ・・・結構雪が溜まってます。

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 すごい雪面が純白できれい過ぎて歩くのが勿体無いくらいです!

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 ここも登っている時は足下が崩れていって、もがきながら登った斜面です。

 落石ならず落雪しまくったので、今回は自分以外の人が居なかったからいいものの、今後の為にそこら辺を考えなければ・・・
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 ・・・その切り返し。

 これも写真だと全く迫力が無くで残念です。

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 そしてここを登り切ってしまえば安全地帯です!

 しかも何だか空が青くなってきてませんか?
・・・自分はまったくツイています!


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 振り返ると自分の踏み跡のみ・・・

 なんて贅沢な眺めなんでしょう!

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 剣の刺さった岩は右側を回って行きました。


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 剣の刺さった岩を越えたら稜線!
・・・と思ってたけど、まだ先があったんだね!

 でも、こんなシチュエーションの中に自分しかいない!・・・と思うと、嬉しくって仕方ないし、ホント物語の主人公になったような錯覚に陥ります!


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 天気も良くなってきて、思わず翼を広げるように両手を広げて深呼吸してしまいました。
 
 自分しかいないので周りを気にしてカッコ付けるポーズを取る必要なんてないのに、翼を広げるポーズを取る自分。
 
 無意識の中から感激した事によって出てきたみたいで、そんなポーズを取っている自分に対して自分自身がびっくりです!!


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 今度こそ、ここを越えれば稜線の北側を巻くルートで甲斐駒山頂を拝む事が出来ます。
 ペースも思ったほど悪くないので、行けるんじゃない?

 ・・・と、勝手に盛り上がる自分!


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 どーん!!

 凄い迫力と、いかにも自分を出迎えてくれるようにタイミング良く紺碧の空が姿を表してくれました〜!

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 すごい!

 すご過ぎる!

 武者震いをしながら、かつ、満面の笑みで歩いて行きます!


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 そして睨んだ通り、稜線は北側から吹き上げる風で雪面が堅く、そんなに吹きだまりがあるって感じではなく、いくぶん歩きやすくなりました。


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 八合目では、天気は期待出来ないと思っていたけれど、ここにきてこの天気!
・・・出来過ぎです!

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 山頂が見えてきました!

 年末に来た時とは比べものにならないくらい感激してハートが震えます!


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 ・・・とは言ったものの風は強いし先は長いです。

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 自分にとって甲斐駒・黒戸尾根はいい思い出しかありません。

 山は生きていて感情があるのだろうか?
 自分も甲斐駒との相性の良さを感じざる得ない・・・と勝手に思い込みます!

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 横殴りの風を全身に浴びながら確実に近づいて行きます。

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 山頂。

 雪庇が出来てるから反対側からの風が強そう・・・

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 見て!
 この岩壁!

 カッコよ過ぎない?

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 縦構図でもう一枚!
 
 この一枚を最後に天気が急転。


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 紺碧の空は何処へやら・・・

 ガスに包まれてきました。

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 西から黒い雲が流れてきていたので、北岳、仙丈の展望は始めから無理だろうな・・・と思っていたけれど実際目の当たりにするとやっぱり残念です。

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 甲斐駒山頂への最後の登り。

 まっさらな雪面を自分が歩く事で汚してしまうような罪悪感を感じてしまいます。

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 そして山頂〜!

 甲斐駒さん、ありがとうございました!
・・・と挨拶。

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 七丈小屋から3時間40分。
・・・八合目までのペースを考えるともっと遅くなると思ったけれど、八合目からの楽しさが時間を忘れさせてくれました。

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 摩利支天。

 天気がどんどん悪くなってきているので、せっかく来たけれど早めに撤収させてもらいました。

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 来た道を引き返しますが、こうやって上から見下ろして歩いてみると結構無駄な遠回りをして登ってきた事がわかります。

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 一気に白の世界へと移っていきますが、そう考えるとさっきの紺碧の空は甲斐駒が自分に御褒美をくれたみたい・・・と勝手に都合よく解釈しました。


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 下りは楽ですが、下りの方が気を付けないといけないので気を引き締めての下山。


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 行きの自分のトレースも風で消えかかってます。


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 八合目からのルート選択が、道を創造するアーティストって感じで、最高に楽しかったです!


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 ・・・ここを過ぎると・・・


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 安全地帯。

 ちょっと刺激の余韻に浸って、平坦な道が退屈に感じるくらいです。

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 でも、こうやって無事に八合目まで戻れて大満足です。

 マイナス要素の話しを聞く事で想像が膨らみ過ぎて行動が鈍りがちだけど、実際に歩いてみたらこんなに楽しいとは思いませんでした。
 

 
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 そして八合目を後にして、八合目までの苦しい登りは尻セードで一気に下りました。
ちょー面白いです!

 七丈小屋に戻って、管理人さんに「何とか頂上まで行けました」

 ・・・って挨拶したら、ちょっとビックリしてたみたい。

 それからいろいろ話しをさせてもらって、「では、お世話になりました」

 ・・・って挨拶をしたら、身長を聞かれて、なんだろう?と思ったら、「もう、ジーパンは止めなさい」

 ・・・とパタゴニアのズボンをプレゼントしてくれました。値札があって見てみると、この小屋の素泊まり4回分以上の金額です。
 もう冬は無理なのでGWくらいにお酒を持ってお礼の挨拶でもしたいと思います。

 本当に、冬用のテントを持たない自分にとって通年営業の小屋は有り難く、甲斐駒・黒戸尾根・七丈小屋はいい思い出しかありません。

 感謝の気持ちでいっぱいです。・・・そんな感情を抱いての下山。
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 雪のこの尾根は登りより下りの方が注意が必要です。


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 慎重に下っていきますが、燃え尽き症候群か?身体は抜け殻のようにボロボロです。

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 五合目のハシゴを通過して・・・

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 五合目。

 ここからの登り返しが辛く、トレースがあるものの2人分なのでやっぱり足を取られて疲れます。


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 ただ黙々と下って写真を撮る気力すらありません。

 八合目からの刺激的な登りに比べてしまうと、下るというただの作業になってしまい、モチベーションが違うとこんなにも疲労感が違うものか?
 ・・・と思い知らされました。


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 刃渡り。

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 この景色を最後に、夢遊病者のように下っていてあまり記憶が飛んでるって感じでした。

 結局七丈小屋から竹宇駒ヶ岳神社まで3時間40分も掛かって下山しました。


 今回は自分にとってかなりハードル高めで、念願のラッセルも出来たし、八合目からのしびれるような歩きに自分の足跡を刻んで登ったという充実感に大満足です!

 下山してから全てを出し切った脱力感、疲労感に身も心もカラッポになってしまいましたが、確実に今回の経験は自分の身体にこびりついていて何かしら今後の力になると思います。

 それと、七丈小屋の管理人さんにはいろんな意味で感謝の気持ちでいっぱいです。
次回甲斐駒に登る時は頂いたズボンで挨拶に行きたいと思います。

 大満足の甲斐駒、黒戸尾根ラッセルレポでした。

 

by amitsuka1210 | 2009-01-31 22:39 |    ( 甲斐駒:小屋泊 ) | Trackback | Comments(4)
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Commented by フィー at 2009-02-01 01:22 x
酔っぱらいです
やばいやばいっすよぉ〜
あみつかっさん
うらぎりものぉ〜
ヽ(`⌒´メ)ノ理
Commented by amitsuka1210 at 2009-02-01 12:40
おはようございます。

 今日は昼過ぎまでゆっくり寝られたので、今までと種類の違う今回の山旅の疲労が完全に抜け切りました。

 先輩からの飲み会を断るという永久戦犯的な無礼、誠に申し訳ありませんでした。
 完全復活したので、来週からジョギング復活しますし、ラッセルしたくてウズウズするので、大菩薩行きましょうよ!

 今日はこれから美味しい日本酒でも買って、まったりと過ごします。
Commented by santa31_07 at 2009-02-03 08:31
よくご無事でお戻りになりました!
おひとりでこの時期に黒戸尾根なんてかっちょいい~(≧∀≦)


次回の山行は3月、と以前書かれていたので
しばらくここをお邪魔していませんでした!

しまった~!
黒戸尾根から戻ってきてから
amitsukaさんのこのすんごい山行記録を発見!

行く前に読んでおきたかったです(≧Д≦;)

わたしたちは5合目までもたどり着けませんでしたが
あの先は
こんなんなんですねー!

七丈小屋手前の鎖はやっぱりとってもスリリング!
おっかな~い(≧Д≦;)

八合目先もどう歩いていいか分らない感じですが
山頂まで行けて、無事に戻ってこられて
その上、
七丈小屋の管理人さんにはプレゼントまでもらえて
と~っても良かったですね~!


感激が伝わります!
行間からあふれ出る感動からわたしと同じ血を感じますよ(´∀`)


Commented by amitsuka1210 at 2009-02-03 09:20
今回は自分的に黒戸尾根に痛めつけられる事を前提に、ハイリスクで挑みましたが、そのぶんハイリターンで、素晴らしく例えようのない想い・経験を身体に刻む事が出来ました。
 
 これでガスっていて展望が無かったら単なる修業で終わってしまうところでしたが、日頃の行いが良いのか?・・・素晴らしい天気、コンディションで甲斐駒が迎えてくれました。

 最近はアプローチがしやすくて甲斐駒、黒戸尾根ばかり行ってますが、この場所に惚れ込んでのめり込んでます。

 三太さんも是非リベンジして八合目からの極上のひとときを味わって、酔いしれてください。・・・クセになりますから。。。

 


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